債務超過とはどんな状態?

財務諸表の可視化プログラムを開発を進めながら、テストも兼ねていろんな会社の財務諸表を可視化してその状態をチェックしているため、随分多くの財務諸表と出会いました。その中の一つに債務超過という状態があります。債務超過の会社の貸借対照表をそのまま可視化すると、バランスシートがバランスしない状態で描画されます。借方の資産より貸方の負債が上回った状態となり、純資産の部がマイナスになってしまうためです。ネットで調べると、こういう場合は純資産の部を借方側に表示してバランスを取って表示するやり方もあるようなのですが、ここではそのまま表示することにしました。

例としては、昨年の8月期の決算で債務超過となった文教堂があります。以下は、そのチャートになります。

文教堂の貸借対照表(2018年8月期)

可視化してみたものの、債務超過分は総資産の1.11%程度なので見た目にはわかりにくいですが、資産より負債の方がちょっとだけ背が高いのはギリギリわかるかもしれません。純資産だけを取り出してチャートにみると、以下のようになります。

文教堂の純資産(2018年8月期)

もう随分前から純資産比率が5%を切っており、苦しい状態が続いていたようです。とはいえ、債務超過自体が即退場を意味するわけではありません。文教堂は、自宅の近所にも中規模のものがあって、個人的には、買えるものはできるだけそこで買うようにしています。出版業界全体が厳しい状態にあるようですが、街から本屋がなくなってしまうような事にはなって欲しくないし、是非とも頑張っていただきたく応援しています。

出版業界については、私自身以前勤めていた会社の一部門が出版事業をやっていて、その経理部門で事務をやっていたため、取次業社の納返品データと格闘していた時期がありました。担当していたのは短い期間でしたが、その間でも取次業社の中堅どころが破綻したこともありました。いずれ上場している大手の取次業社についても取り上げてみたいと思います。

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