可視化プログラムを書くに当たっては、財務諸表分析の本も何冊か読んでみましたが、その中に日経文庫の「ビジネススクールで教える経営分析」があります。スーツのポケットにも入る大きさの薄い本でありながら、財務諸表の見方の勘所がきっちり書かれています。この本では、一つの会社の貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)を同じ座標系に乗せて比較する形を取っています。BSとPLの大きさの比率は、会社に寄るところもありますが、業界の特色が出てくるところでもあります。この可視化システムでは、BS、PLは個別の年度推移チャートで作っていますが、財務分析用のチャートとして、BS・PLの対比チャートも作ってみました。一つめは、鉄道という巨大な固定資産で事業を営むJR東日本。
売上を総資産で割った総資産回転率という指標がありますが、この対比チャートでざっくりわかります。総資産回転率は、別途年次推移チャートを用意していますが、それはまた次回以降にご紹介します。次はIT業界からサイバーエージェント。
売上が総資産の倍程あります。相対的に小さい資産で効率よく稼ぐ様は、まさにIT企業という感じです。次は小売業界からイオン。
製造業からも一つ。先の本でも紹介されているキッコーマン。
製造業や小売業は、会社にもよりますが、BS、PLが大体同じぐらいの規模になっている感じです。最後は、昨年上場したメルカリ。
BSがPLの3倍程もあって、一見するとまるで鉄道業や不動産業のようにも見えますが、BSで大きいのは流動資産。上場したてということもあって、総資産約1,200億円の内、約1,100億円が現預金です。BS,PLの比率は業界による傾向はありますが、個別の事情でも随分違った様相を見せます。
余談ですが、メルカリの株価は上場来下がり続け、昨年末には英国事業の撤退もあって更に落ち込んでいます。ただ財務諸表で見る限りは、まだまだ余裕がありそうです。更に失敗を重ねるかもしれませんが果敢に米国事業に挑戦する姿勢には夢があります。私の持株100株も今はたっぷり含み損を抱えていますが、その夢を買っているつもりなので、是非とも頑張って欲しいものです(念のため投資は自己責任で)。
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