【決算チェック】FANGを一覧してみる

FANGといえば米国、というか世界を代表するIT銘柄で、フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの4社を表します。アップルを加えたFAANGとか、前回取り上げたエヌビディアを加えたFANNGとか色々バリエーションがありますが、今回は、FANG4社の財務諸表をXBRLからチャートにして一覧してみたいと思います。まずは、各社のBS/PL対比チャートから(2018年12月期)。いずれも単位はUSドル、米国会計基準です。

FANG BS/PL 対比チャート 2018年12月期

4つ目のAlphabet Inc.はグーグルの持株会社です。ここからは、各財務諸表の直近4年間の推移です。まずは、貸借対照表から。

各社純資産、総資産とも着実に増え続けているのがわかります。次は損益計算書から。

FANG 営業損益 2018年12月期

売上高10兆円、20兆円規模の企業がこの勢いで成長を続けているのですからすごいことです。実際、自分の生活を見てもグーグル、アマゾン漬けの毎日です。次はキャッシュ・フロー。

FANG キャッシュ・フロー 2018年12月期

4社とも年々営業キャッシュ・フローが伸びています、と書きかけてびっくり、ネットフリックスはマイナス、しかも年々マイナス幅が大きくなっています。これについては後で触れることにして、次は各段階の利益の推移です。

FANG 各段階利益推移 2018年12月期

フェイスブックは、昨年色々ありましたが、利益率では断トツです。ネットフリックスも最終損益の黒字が続いているようですが、なぜ営業キャッシュ・フローのマイナスが続いているのか気になります。営業CFの内容を見てみましょう。

ネットフリックス 営業キャッシュ・フロー 2018年12月期

科目の多さに比べて色の範囲が狭いので見にくいチャートになってしまいました。色分け問題は今もこの可視化システムの課題です。このキャッシュ・フロー計算書は、間接法で作られているのでNet Income(純利益)から足し引きして求めて行くことになりますが、金額の小さい科目を除けば「純利益」+「ストリーミングコンテンツ資産の減価償却費」ー「ストリーミングコンテンツ資産の取得費用」で概算できます。負の営業CFからは、当面の利益に加えて財務活動で資金調達し、ストリーミングコンテンツをひたすら買い集めている様子が伺えます。ネットフリックスの2018年12月期の総資産は約260億ドル、その内コンテンツ資産は流動、固定合わせて約200億ドルにも及びます。コンテンツを制するものが、ストリーミング業界を制すると言うことなのかと。

私は昨年まで中小企業の経理部で働いていたので減価償却も様々経験しましたが、動画の減価償却の経験はありません。日本の国税庁の耐用年数一覧にもデジタルコンテンツは明記されていないようです。無形固定資産のソフトウェアと同じ括りなら日本では5年償却になると思いますがどうなのでしょう? 米国も含めデジタルコンテンツ資産の減価償却ルールは面白そうなので、今後詳しく調べてみたいと思います。

今回は、FANGを取り上げてみましたが、途中からネットフリックス個別の話になってしまいました。今後も米国の会社を取り上げてみたいと思いますが、来週はそろそろ日本の12月決算の会社のXBRLがEDINETに上がってくる頃なので、いくつか取り上げるつもりです。

それにしても、米国の会社は決算月の翌月にはXBRLが公開されていますが、日本の会社は3ヶ月後です。この差はどこから来るのだろう?

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