【決算チェック】大塚家具 2018年12月期

大塚家具と言えば、数年前のお家騒動以来、業績の悪化が何かと報道されてきました。最近も中国資本との提携など話題はつきませんが、3月末の株主総会も終え、ようやく2018年12月期のXBRLが登録されたようなので、ここ数年の財務状況の変化を可視化してみたいと思います。まずは、基本3諸表の推移から。

大塚家具 2018年12月期

毎年の赤字で、総資産も急激に減少しています(念のため営業損益チャートでは、「営業利益又は損失」が貸方(右側)の棒グラフにある場合は、営業損失を意味します)。営業活動によるキャッシュ・フローは3年連続でマイナス、投資活動によるキャッシュ・フローのプラスは、資産売却を進めていることを表しています。貸借対照表では、流動比率にはまだ余裕があるように見えますが、内容をチャートにしてみます。

大塚家具の流動比率推移 2018年12月期

流動比率は、直近で2.35と高めに見えますが、内容をみると流動資産の6割が商品で、現預金〜売掛金で見た当座比率は1倍を下回っているのがわかります。次は、各段階利益率推移です。

大塚家具 各段階利益推移 2018年12月期

売上が急激に落ちていて、営業損益以降は3期連続の赤字となっています。売上総利益率が直近44%にまで落ちているのは、昨年の在庫処分セールの影響かもしれません。在庫の処分が進んでいる様子を棚卸資産回転日数で見てみます。

大塚家具 棚卸資産回転日数推移 2018年12月期

大塚家具は、昨年の秋に最大80%引という大規模な在庫一掃セールを行っています。その影響で在庫は大幅に減り、一時的な要因とはいえ棚卸資産回転日数も160日まで改善しています。とにかく資産を資金化して当面の苦境を乗り越えようとしています。その状況は固定資産でも見ることができます。

大塚家具 固定資産推移 2018年12月期

2015年の160億円あった固定資産は、直近で60億円を切っています。有形固定資産、投資その他の資産の明細も見てみます。

大塚家具 有形固定資産推移 2018年12月期
大塚家具 投資その他の資産推移 2018年12月期

有形固定資産には、もはや2億円弱の土地があるのみ。2015年に72億円あった投資有価証券も残り6億円と9割以上処分しています。よくぞここまで売ったという感じで、固定資産で残っているのは主に差入補償金でぐらいです。資産を取り崩しての資金調達もそろそろ限界にきているようです。最初に提示した貸借対照表を見ると、直近の自己資本比率は60%といまだ高い水準を維持していますが、借方の資産側は在庫と差入保証金が多くを占めているので数字通りには評価しずらいところです。

報道では、大塚家具は中国資本を受け入れ、巨大な中国市場に活路を見出そうとしているようです。その結果が、かなり辛い状況にある前期の財務諸表にどのような変化をもたらすのか、大変興味深い展開です。このダイナミックな変化を捉えるべく、今後は四半期決算毎に大塚家具を取り上げてみたいと思います。

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