【決算チェック】ニトリとしまむら 2019年2月期

XBRLの提出は決算から3ヶ月遅れのため、今月出てくるのは2月決算の会社になります。2月決算の会社は数も少ないのですが、その中で小売大手の2社、ニトリとしまむらがあったので比較形式で取り上げてみます。同じ小売業と言っても家具のニトリと衣料品のしまむらでは業界も違いますが、並べて見る程度の意味で他意はありません。両社の資産規模は、5千億円〜6千円億円規模と近いので、比例縮尺チャートにしてみます。
まずは、貸借対照表、損益計算書(営業利益ベース)の対比チャートです。

ニトリとしまむら BS,PL対比チャート 2019年2月期

総資産回転率では、直近でニトリがほぼ1倍、しまむらは1.38で、資産効率ではしまむらが上回っています。流動資産が同規模なのに対して、ニトリの固定資産が圧倒的に大きいのは、SPA(製造小売業)的な要素があるからかも知れません。純資産比率はどちらも高めで負債も少なく、財務体質は強固そうです。流動比率を比較してみます。

ニトリとしまむら 流動資産推移 2019年2月期

ニトリの流動比率は2.28と高く、直近2月期では現預金だけで流動負債を上回っています。しまむらの流動比率は右肩上がりで直近は6.66倍と非常に高いものとなっています。中でも個人的に目を惹かれたのは有価証券で、直近で約1,400億円、流動資産の約6割を占めています。キャッシュリッチな会社でも、これ程高い比率で有価証券にしている会社は少ない気がします。現預金をあえて買掛金程度に抑え、短期で積極運用でもしているのでしょうか。決算短信を読むと、個別の比率はわかりませんが「譲渡性預金、株式及び満期保有目的の債権」とあります。安全性の高い証券で運用するとしても、経理担当者はそこそこ勇気と手間がいるのではと想像します。次は、各段階利益です。

ニトリとしまむら 各段階利益推移 2019年2月期

ニトリは順調に売り上げを伸ばしていますが、しまむらの業績には陰りが見えます。両社は売っているものが違うので利益率に差があるのはともかく、しまむらの営業利益率が年々落ちているのが気になります。次は、棚卸資産回転日数です。

ニトリとしまむら 棚卸資産回転日数推移 2019年2月期

衣料品は季節ものですし家具より回転日数が早いのは頷けます。ただ、ここ何回かのブログで紹介した会社もそうですが、ここ1、2年で回転日数が伸びている会社が多いのが気になります。日本企業全体の傾向でしょうか? 棚卸資産の回転が全般的に鈍化しているとすれば、日本経済に何かしらよからぬ状況が訪れようとしているのかも知れません。ちょっと財務諸表分析した程度で日本経済を語るのもどうかと思いますが。

今回は、小売業のくくりで2社を少々無理気味に比較してみました。ニトリは順調に伸びている感じですが、しまむらは若干苦戦気味でしょうか。とはいえしまむらは財務基盤も厚く、資金も潤沢で余裕はありそうです。再び成長軌道に戻れるのか、今後の推移も見ていきたいと思います。

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