BS/PL対比チャートで企業財務図鑑を作ってみた。

コロナショックの影響で企業活動はかつてない停滞。ITバブル崩壊やリーマンショックも深刻だったとは言え経済活動自体は継続していたわけで、この未曾有の事態はいつになったら収束するのだろう?

人の命に関わる状況の中では、企業財務の話なんかどうでもいい感じですが、外出もままらないところで籠るしかなく、何気にコンテンツを増やしてみました。その名も企業財務図鑑

企業財務を概観するなら、まずは貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)になるかと思います。このサイトのチャートアプリでは、BSとPLを一つのチャートに目盛って合体させたBS/PL対比チャートを掲載しています。例えば、ファーストリテイリングではこんな感じです。

ファーストリテイリングの貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)を対比させたチャート。2019年8月期
ファーストリテイリングのBS/PL対比チャート

この一つのチャートをだけで、資産に対してどれだけの売上があるか(資産回転率)、資産に大して負債の大きさはどうか(純資産比率、流動比率)、売上に対して原価や販管費はどの程度で利益はどれくらい出ているか(利益率)がざっと視覚的にその雰囲気を概観できます。

このBS/PL対比チャートは、いわば企業財務の顔。それならその表情を一覧してざっと眺められるページにはそれなりの意味があるのでは? 慣れてくればチラ見しただけで企業の業種や財務状況が分かるかも。

BS/PLの形は、業種によっても傾向が現れます。例えば、電力会社や鉄道会社など巨大な固定資産で事業を行う企業はBS側の固定資産が大きくPLが小さく表示されます。

陸運業一覧: https://www.tukuttemiru.biz/zukan/?ctg=21&p=1

陸運業のBS/PL対比チャートサンプル
陸運業のBS/PL対比チャートサンプル

小売業では若干BSの方が小さい感じ。と言っても百貨店のように巨大な建物(固定資産)を持っていたり、逆にネット通販中心で小さな資産で稼ぐ会社などあってその形は様々。

小売業一覧:https://www.tukuttemiru.biz/zukan/?ctg=27&p=1

小売業のBS/PL対比チャートサンプル
小売業のBS/PL対比チャートサンプル

不動産業界は、BSが大き目ですが、建売、転売が中心なのか賃貸が中心なのかで流動資産と固定資産の比率に特徴が出ます。

不動産業一覧:https://www.tukuttemiru.biz/zukan/?ctg=32&p=4

不動産業界のBS/PL対比チャートサンプル
不動産業界のBS/PL対比チャートサンプル

傾向が出ると言っても上場企業ともなると、明示されている業種以外の業態でも活動していたりするので業界の傾向が必ず出るというわけでもありませんが、なぜこの企業は周りと異なっているのだろうとか、その会社の財務諸表を見るきっかけにでもしていただけると幸いです。

正直に言うと、今回このページを作った動機はSEO対策。このサイトで掲載しているチャートはSVG(スケーラブル・ベクター・グラフィックス)で作っているためか、検索エンジンにキャッシュされにくいようなので、その対策として画像(jpeg)に落とした画面を作ってアクセスの様子を見てみようと思ったわけです。

作成の動機はどうあれ、実際に作ってみるとそれなり面白いし、このような画像を使ったページ作りも今後のコンテンツとして様々検討できそうです。

ただ、技術的な課題もあって、SVGを直接画像に変換してくれる仕組みが見当たりません。今回の画像はクローラ系のライブラリを使ってSVGをブラウザに展開し、そのスナップショットで作っています。自動化プログラムは簡単に書けるので、約3800社の画像を作るのもコマンド一つ叩くだけですが、スナップショットから適当サイズにリサイズしたために、画像の品質がイマイチ。何かもっと良い方法がないか模索中です。良い技術的な方法があればご教授ください。

課題は他にもあって、米国会計基準の会社に対応できないこと。金融庁のEDINETに登録されている米国会計基準の会社のXBRL(連結決算)にはリンクベースが含まれておらず、私の処理系ではチャート化できません。IFRSも同様の状況だったのですが、こちらは昨年3月期分からまともなXBRLの登録が始まったのでおよそ300社が救われました。米国会計基準は30社程度なので、これを除いても上場企業の99%程度は網羅できるのですが、その30社は、トヨタやソニーなど日本を代表する巨大企業が多く、当局にはそのXBRLの対応もお願いしたいところです。

ともあれようやくIFRSを含め財務データも揃ってきたので、今後は日本の上場企業全体や業種別など統計情報についても可視化を進めてみたいと思っています。コロナの影響で、日本企業の財務状況は今後どのように変化していくのか? そう言った状況も数字とチャートで表現できないか検討中です。

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