総資産回転率を可視化すると、

XBRLをベースにした一連の開発では、まず基本3諸表を可視化し、そこから財務分析で使われる様々な指標をチャートなどで表現することを進めています。今回は、総資産回転率です。売上を総資産で割ったもので、資産がどれくらい効率的に売上に結びついているかを計る指標です。

総資産の大きさと売上との比は、業界によっても、或いは同業でも会社の事情によって大きく異なるので、回転率が高いから良いとか、低いからどうとか単純に言えるわけではありません。また、総資産と売上の比率は、以前紹介した、BS・PL比較チャートでも直近年度分は目算できるので、要らないかと思ったのですが、この指標は、同一会社の経年推移の評価にこそ利用価値があるのではないかと思い、別途作ることにしました。

総資産回転率のチャートでは、資産と売上を組み合わせたチャートを作り、その上に総資産回転率を折れ線グラフで重ねてみました。

以下は、巨大な固定資産で稼ぐ業界から、製造業、固定資産をあまり必要としない情報関連の業界まで並べてみたものです。会社は自分の知っている範囲で適当に選んだもので特に意図はありません。

業界的には、最も総資産回転率が小さいのは、銀行業界ですが極端なのでサンプルには入れませんでした。この指標については、ある程度は業種による傾向がありますが、個別の事情で業界の傾向から大きく外れているような会社もあります。例えば、任天堂は、工場のような固定資産を持ちませんが、巨額の流動資産(現預金)があるので総資産が大きく、総資産回転率は一般的な製造業より低くなります。

今回のチャートでは、資産側を固定資産と流動資産に分けて表示しているので、その辺りの状況も多少は類推可能になっているかと思います。総資産回転率に加えて、固定資産回転率もチャートに加えても良かったかもしれません。今後の検討課題といたします。

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